路地に、柘榴の花が咲いていました。
お花の形が、なんとなく果実に似通っていますね。
柘榴と言うと、ギリシャ神話の豊穣の女神デーメーテールの娘、ペルセフォネのお話を思い出します。
とっても美人のペルセフォネに恋した冥界の王ハデス(ローマ神話ではプルートに相当)が、彼女を冥界に連れ去ってしまいます。
悲嘆したお母さんのデーメーテールが、天界から放浪の旅に出てしまい、大地が荒廃(・・;)
女神が役職放棄することで困ったことになる…というこのお話、日本神話の天照の天岩戸隠れのお話に、ちょっと似ていますね。
結局ペルセフォネは、お母さんの元へ戻れされます。
しかし、”冥府の食べ物を口にした者は、冥府の住人となる”という定があり、ペルセフォネは、柘榴を何粒か食べていました。
そのために、一年の内の数か月間、冥界で過ごさなければならず、デーメーテールはその間だけ、実りをもたらさない…季節で言えば”冬”の時期が出来たそうです。
子供の頃に読んだ本では、ペルセフォネが口にした柘榴は4粒だったので、一年の内4カ月の間、冥界で過ごすようになった、とあったのですが…
それなら、もし20粒食べていたらどうなったんだろう?
…と子ども心に首をかしげた記憶があります。
*12ヵ月を食べた柘榴の粒の数で割る、というお話もあるみたいなので、記憶違いかもしれません(・・;)
柘榴は血のように赤い粒々の種衣が、丸い実の中にびっしり詰まっていて、初めて見た時は、ちょっとグロテスクなイメージがありました。
けれども、半透明の赤は、ルビーのように光っていて、とてもキレイですね。
”血”のように赤い柘榴ジュースは、女性ホルモン”エストロゲン”が含まれると一時期話題になりました。
”エストロゲン”については、分析結果によって諸説あるようですが、古くから薬として利用されてきたことは確かです。
『本草綱目』によれば、その味は”甘・酸”、性質は身体を温めてくれる”温”。
果実は蜜漬けにして菓子にしたり、果汁を飲んでその薬効を利用したようです。
果実だけではなく、柘榴のお花も使われていたようです。
陰干ししたものを粉末にし、切り傷や鼻血などの出血に使うと良いそうです。
また、”鐡丹を和して服すれば、一年にして白髪を漆のように変ずる”とありました。
”鐡丹”は、鉄の粉のことのようです。
”鉄の粉”…は、あまり身近にはありませんね(^_^;)
これはちょっと再現しづらいので、鉄分を豊富に含む食材とコラボして、おやつレシピにしてみましょう♪
【柘榴花のドライフルーツボール】
干しブドウ、プルーン、デーツ(ナツメ)、イチジクなどのドライフルーツを刻み、ローストしたクルミを細かく刻んで、すべての材料をよく混ぜ合わせ、シナモン・お塩で味を調えます。
ここに、乾燥させて粉にした柘榴のお花も入れてしまいましょう。
これを一口大に丸めれば、出来上がりです(*^_^*)
東洋医学では、髪の毛や骨は”腎”の支配下とされています。
”腎”には生命力の源である、”精”が貯蔵されています。
”腎”が弱ると、老化現象が現れる―白髪になり、骨も弱くなる―というわけです。
鉄分・ミネラルも豊富なドライフルーツと、腎を補う働きに優れたクルミと合わせた、柘榴のお花のお菓子。
他に、スミレの砂糖漬けのように拵えても良いし、蜜漬けにしてもいいかもしれません。
乾燥させて使えば、いろいろとレシピが増えそうですね。
美しい黒髪の養生に、お試しください(^_-)-☆
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