2016年7月7日木曜日

“たなばた”に寄せて

〔五節句 七夕〕の記事で、機織りには、さまざまなメタファーが含まれる、と書きました。

経糸と緯糸を織る。
糸から織物が創られる。


織られた布は、経糸と緯糸の果てしない交差の軌跡です。

経糸も緯糸も、同じ糸。

 “経糸”と“緯糸”の役割を与えられただけですが、この二者は十字に組み合わされ、並行して寄り添うことも、入れ替わる事もありません。


引っ張ればすぐに切れてしまう糸から作られるのは、もう一つ上の次元のもの。
織られた布の強度は格段に上がります。


織られた布を良く見てみれば、経糸と緯糸は、交互に表になり、裏になり、決してどちらかだけが表地を席巻している訳ではありません。
借りに表地と裏地があったとしても、裏返せば裏は表、表は裏。


…何だか禅問答のようになってきました()


機織りには、“陰陽和合”-自然界の陰陽が織りなす生命の営み-を見ることができるような気がします。


“たなばたつめ”―“機を織る女性”は、さながら宇宙万象を創りだす、女神に例えられるかもしれません。



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