2016年7月11日月曜日

夏と”心”~暑さがカラダに及ぼす影響

容赦のない夏日が続いていますね。

東洋医学では、夏は火行に属し、陽の気が最も盛んになる季節です。
この時期に最も負担のかかるとされる五臓は“”。

*「心は君主の官」と言われ、全ての臓腑の頂点に君臨する“王”と位置付けられています。心臓は血液を全身に行き渡らせるポンプ役として、生まれてから死ぬまで休まず動き続ける臓器ですが、東洋医学で言う“心”は、血液循環器系・小腸を含みます。

南風は夏に生じ、病はに在り、()胸脇(きょうきょう)に在り。・・・
黄帝内(こうていだい)経素(けいそ)(もん)-真言論四 第二節-』より 



実際、気温の高い日が続くと、心臓疾患が多くなるとも言われています。

何故、暑さが心臓に負担をかけるのでしょう?

常に動き続ける“心”は人体の熱源
いつでも熱がある状態なのです。
ですから、“心”を助ける味は、熱を冷ます作用を持つ“苦味”が配当されています。

さて、自然とわたしたちのカラダには、相似・相関関係があります。
*詳しく知りたい人は、『ヘイちゃんのバランス絵本②~自然とカラダの不思議な関係』を見てみてくださいね(*^_^*)

この季節の特徴である暑さ。
この暑さは、わたしたちのカラダの中のバランスを、揺るがしかねない影響力を持っています。
これを“暑邪”と言います。

話を戻して、心臓との関係。
暑いと汗をかきますよね。

発汗は体内の体温調節機能の一つです。
皮膚から汗を出すためには、体表の毛細血管まで血熱を運ぶ必要があります。
ポンプ役の心臓は、いつもより頑張らないといけません。

加えて、汗をかくと、血液濃度が高くなってドロドロした状態になります。
これもまたポンプ役の心臓にとっては、負担。

暑さによって、いつもより余分な熱がこもる→
体温バランスを保とうと心臓が頑張る→
結果、心臓が疲れる。

こういう方程式になるわけです。

暑邪の影響は、これだけではありません。

心臓が頑張るということは、それだけエネルギー=気血を使うということです。
カラダの中のエネルギーというのは、一定なので、心臓がいつもより頑張るからと言って、エネルギーがその分増える訳ではありません。

心臓がいつもより頑張ることで消費される気血は、生命維持活動の中でも、最もエネルギーを使うと言われる、消化活動にも影響します。

要するに、消化活動に使うエネルギーが、不足しがちになるのです。
“心”が生み育てるのは、“脾胃”。
五臓の親子関係相関図↓で見ると、親である“心”がエネルギーを使い過ぎて、子である“脾胃”に十分なエネルギーが供給されない、ということになります。




食欲不振や夏バテになりやすいのは、“心”が頑張ったために起きる弊害のひとつ、という訳です。


夏の食養生に続く…


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