容赦のない夏日が続いていますね。
東洋医学では、夏は火行に属し、陽の気が最も盛んになる季節です。
この時期に最も負担のかかるとされる五臓は“心”。
*「心は君主の官」と言われ、全ての臓腑の頂点に君臨する“王”と位置付けられています。心臓は血液を全身に行き渡らせるポンプ役として、生まれてから死ぬまで休まず動き続ける臓器ですが、東洋医学で言う“心”は、血液循環器系・小腸を含みます。
南風は夏に生じ、病は心に在り、愈は胸脇に在り。・・・
『黄帝内経素問-金匵真言論篇四 第二節-』より
実際、気温の高い日が続くと、心臓疾患が多くなるとも言われています。
何故、暑さが心臓に負担をかけるのでしょう?
常に動き続ける“心”は人体の熱源。
いつでも熱がある状態なのです。
ですから、“心”を助ける味は、熱を冷ます作用を持つ“苦味”が配当されています。
さて、自然とわたしたちのカラダには、相似・相関関係があります。
*詳しく知りたい人は、『ヘイちゃんのバランス絵本②~自然とカラダの不思議な関係』を見てみてくださいね(*^_^*)
この季節の特徴である暑さ。
この暑さは、わたしたちのカラダの中のバランスを、揺るがしかねない影響力を持っています。
これを“暑邪”と言います。
話を戻して、心臓との関係。
暑いと汗をかきますよね。
発汗は体内の体温調節機能の一つです。
皮膚から汗を出すためには、体表の毛細血管まで血熱を運ぶ必要があります。
ポンプ役の心臓は、いつもより頑張らないといけません。
加えて、汗をかくと、血液濃度が高くなってドロドロした状態になります。
これもまたポンプ役の心臓にとっては、負担。
暑さによって、いつもより余分な熱がこもる→
体温バランスを保とうと心臓が頑張る→
結果、心臓が疲れる。
こういう方程式になるわけです。
暑邪の影響は、これだけではありません。
心臓が頑張るということは、それだけエネルギー=気血を使うということです。
カラダの中のエネルギーというのは、一定なので、心臓がいつもより頑張るからと言って、エネルギーがその分増える訳ではありません。
*関連記事:「お金は社会の気血?」
心臓がいつもより頑張ることで消費される気血は、生命維持活動の中でも、最もエネルギーを使うと言われる、消化活動にも影響します。
要するに、消化活動に使うエネルギーが、不足しがちになるのです。
“心”が生み育てるのは、“脾胃”。
食欲不振や夏バテになりやすいのは、“心”が頑張ったために起きる弊害のひとつ、という訳です。
夏の食養生に続く…
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