2016年3月8日火曜日

お味噌の仕込み

先月、お味噌を仕込みました。

お味噌は昔から“寒仕込み”と言って、寒さの厳しい時期(2月頃)に仕込むと良いと言われます。
理由は諸説あるようですが、気温が低いため雑菌も少なく、また酵母たちの働きも緩やか。
時間をかけてゆっくり発酵させることで、味に深みが出るのだそうです。


お味噌は大豆・塩・麹から作られる、日本の伝統的な発酵調味料。
その性味は、甘・鹹・温。
(脾胃を助ける甘味と、腎を助ける鹹味に属し、食べると身体を温める性質を持つ)
昔から解毒・滋養の効能は知られており、日本人の毎日の食事に欠かせない存在でした。

実際に近年、お味噌の様々な効用が、科学的な研究に基づいて発表されています。
*ガン発症の低下・老化防止作用・血圧低下作用等…
食中毒の原因となる病原菌を味噌に添加したところ、病原菌は増殖できない所か、だんだん死滅するという研究結果も。
また、味噌の持つ細胞の新陳代謝を促進する作用は、放射線の脅威に対しても有効として知られています。


そんな素晴らしい効果を持ったお味噌。
先ほども言った通り、大豆と塩を原料に、麹菌によって”発酵”することで出来上ります。
”発酵”と一言で言ってしまえばそれで終わりですが、もう少し言葉を付け加えると、微生物(酵母菌)がエネルギーを得るために代謝活動をすること。
この過程で、人にとって有益なさまざまな成分が生成されるのです。


さて、ここで、味噌甕の中で起きているケミストリーを科学的(?)に見てみましょう。

お味噌の主原料となる大豆。
良質な植物性たんぱくを豊富に持っていますが、普通の過熱調理では消化吸収されにくいという欠点があります。


この大豆が、微生物(酵母)のチカラをかりて発酵すると…


大豆たんぱくは酵素によって加水分解され、60%が水分に溶け、約30%がアミノ酸になり、さらに炭水化物はブドウ糖になって消化吸収されやすくなります。


また発酵過程によって大豆そのものにはない(あっても少量)、アミノ酸やビタミン類が多量に生成され、栄養価はさらに優れたものになります。
その中には、生命を維持するために不可欠な必須アミノ酸8種類がすべて含まれているのだとか!


これは発酵食品全体に言えることかもしれませんが、原材料の食材が持つ効能が引き継がれると同時に、それが“発酵”することによって、さらに効果が多様になります。
つまり、大豆そのものを食べるよりも、発酵させたお味噌のほうが、栄養素は豊富になり、しかも消化吸収しやすくなるーいいことばかりなのです(^o^)丿♪

…と、難しいことは分からなくてもいいのです。
一度自分で作ってみてください。

味噌甕の中で微生物たちが一生懸命“生きて”いるのが感じられて、とてもうれしい気持ちになりますよ(*^_^*)
(ちょっと違うかもしれないけれど、ペットがいるみたいな…)


参考までに、味噌の作り方を簡単にメモしておきます。


    大豆をきれいに洗って一晩水に浸しておく。


    大豆が柔らかくなるまでよく煮る。


    煮あがった大豆をミキサーやすりこ木でつぶす。

    塩と麹をすり合わせるようにしてなじませておく。

    ④に粗熱のとれた③を加え、よく混ぜる。

    アルコールなどで殺菌した味噌甕などの容器に、空気が入らないように詰める。
 *適当な大きさの味噌玉を作ると、詰めやすい。

    表面に塩を振りかけ、空気に触れないようにラップなどをして落し蓋&重しを置き、常温で保存。

材料すべてを混ぜ合わせるのは、かなり力を使います。
腕ではなく、腰を使って全身でこねると、楽です。(でも大抵は筋肉痛になるけれど)
10ヶ月~一年ほど寝かせると美味しくなるそうですが、気温の高くなる夏に発酵のピークを迎え、秋ごろには味が整ってきます。
 
基本的な配合としては、おおよそ、大豆:麹:塩=塩1:1:0.5の割合で作りますが、配合や細かい作り方にはいろいろあるようなので、ご自分で調べてみたり、実際に何度も作りながら、少しずつ好みに調節されればよいと思います。
*以前勘違いして、大豆:麹:塩の割合を、2:1:1と表記してしまいましたが、2:2:1(1:1:0.5でもいいけれど)でした(・・;)
麹の割合を多くする程、贅沢な作り方のようです。失礼いたしましたm(__)m

お味噌は食養の観点から見ても、とっても素晴らしい食品です!
作り方もそれほど難しくないので、ぜひぜひ“手前味噌”をご家庭でも作って、毎日の食卓に取り入れてみてください(*^_^*)


 


 

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