2016年5月6日金曜日

端午の節句

新緑の季節、風にたなびいている鯉のぼりを見ると、なぜかワクワクします。

一日遅れてしまいましたが、55日は「こどもの日」。
五節句の一つ、端午(たんご)の節句でしたね。

*「端午」とは、旧暦の午の月(5月)の最初(「端」とは「はじめ」を意味する)の“午の日”のこと。

端午の節句の別名は、「菖蒲の節句」。

五節句はどれも植物と縁があることは、以前の桃の節句の記事でも取り上げました。

菖蒲の葉は剣のように鋭く、実際に殺菌力も持っています。
『本草綱目』では、その味は、その性はとし、古代から“神仙の薬”として尊ばれてきたことが記されています。

元々は、季節の変わり目に身体を養生する知恵として、植物の力を借りるのがその起源。
菖蒲や蓬などの邪気を祓う薬草を軒下につるしたり、菖蒲湯に浸かったりして、無病息災を祈願しました。
ですが、日本では時代が下って、武家社会になると、「菖蒲」と「尚武」(しょうぶ:武を尊ぶの意)をかけ、男児の節句として定着していったようです。

*柏餅を食べ、鯉のぼりや兜飾りを飾る…これらは”男児の節句”となった日本独自の風習のようです。
 柏は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、「家系が絶えない」縁起物として広まりました。
 鯉のぼりや兜飾りは、男児の出世や、武芸上達などを祈願して飾られます。

ちょうど立夏を迎えるこの時期は、春から夏へと季節の変わる節目の時。
気温の寒暖の差が激しく、体調のバランスを崩しやすいため、植物の力を上手に借りつつ、養生されてくださいね。

もう遅いですが端午の節句にオススメの簡単食養生レシピをご紹介します↓

【粽風中華おこわ】


〈材料〉

もち米・うるち米:同比率
鶏肉・油揚げ・椎茸・筍・人参・生姜などの具材
だし汁・ゴマ油・薄口醤油・酒・みりん・オイスターソース・塩

〈作り方〉

① もち米とうるち米を合わせて洗い、炊飯器に入れておく。 
② 椎茸・鶏肉・人参・筍はサイコロ状に切る。
③ 油抜きした油揚げは細切り、生姜はみじん切りに。
④ ②③の具材をゴマ油で炒める。
⑤ ①にだし汁と調味料適量を加え、④を入れて水を加減し炊き上げる。
⑥ 炊き上がったら、香り付けにゴマ油を適量加え、全体を良く混ぜ合わせる。

本格的な粽は、笹の葉で包んで蒸すのですが炊き上げたおこわを、笹の葉の上に乗せるだけでも雰囲気は出ますよ。

また、男の子の節句ということで、”男は度胸”。

キモの据わった素敵な男性になるためには、を養生するのが一番です。
肝胆の好む味は薬膳的には酸味ですので、蓬や筍など、山菜を使ったちらし寿司もオススメです。


今年の春の恵みを味わえるのも、あと少し。
この季節にしか出会えない旬の食材を、楽しんでくださいね(*^_^*)



余談ですが、中国の故事*にあやかり、男子の立身出世を願って飾られる“鯉のぼり”。

真鯉の上に、五色の吹き流しがついていますが、これは五行に由来します。
意外なところに、五行の文化が息づいているものですね。



*竜門という滝を上りきった鯉が、竜となって天へ昇ったという故事に基づく。“登竜門”。

せっかくなので、”立身出世”だなんて現世的なことに留まらず、より自分を高めて次元上昇していくような、もっと壮大な祈りを込めようと思います(*^_^*)


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