2015年12月16日水曜日

陰と陽ってなんだろう?

日なたと日かげ。

難しそうですが、
これが“陰”と“陽”の考え方の基本です。

日なたは、温かい、明るい。
日かげは、寒い、暗い。

こんな風に、この世界に存在する、あらゆる物・現象は、対称的に分類できます。

光に対して影
昼に対して夜
太陽に対して月
熱いに対して冷たい
動に対して静
軽いに対して重い
男に対して女
白に対して黒
南に対して北
夏に対して冬

でも、これはもともと、何かをカテゴライズ(分類)するための考え方(二元論)ではなくて、
“比較する”理論、もっとも原始的なバランス法則の表現です。

この図を見たことがある人も多いと思います。




これは“陰”と“陽”を図式化したもので、名前は太極図。

黒い部分が陰、白い部分が陽。

この二つが一つの円の中に共存していて、バランスを保っていることを表現しています。

勾玉のような形は、陽の気と陰の気が運動している様子を表し、
陽が極限にまで達すると陰になり、反対に陰が極まると陽になること示しています。

気の性質として、陽は上に昇ろうとし、陰は下に降りようとします。

陰と陽のそれぞれの中に小さな円があります。

これは、陰の中にも陽が、陽の中にも陰が、それぞれ存在していることを現します。
 
円の中心を通る線をどこに引いたとしても、黒一色(陰)・白一色(陽)になることはありません。
そしてまた、黒と白が全く同じ面積になることもないのだそうです。

どちらか一方が強くなると、もう一方もそれに合わせて強くなり、一方が弱まると、もう一方も弱まる。
対立する関係にありながら、お互いがなければ存在することが出来ない。

陰と陽の気は巡り続ける運動の中で、
常に平衡(バランス)を保っている、その様子を太極図はあらわしています。

さて、さきほど陰と陽は”比較”の考え方だと言いました。

例えば、0℃の水と10℃の水を“温度”で比較します。
より冷たい物が陰、より温かい物を陽、とする時、
0℃の水が陰、10℃の水が陽、ということになります。

ですが、10℃の水と100℃のお湯を比較してみると…
100℃のお湯が陽、10℃の水は陰、ということになります。

10℃のお水は、陰にも陽にもなります。
比較するものがなければ、陰にも陽にもなれません。

これは全てのものに言えること。
陰と陽は絶対のものではなくて、比較する関係性の中で、どちらにもなり得る、ということです。

言ってみれば、全てのものは陰と陽の二つの性質を併せ持っている。
もっと言えば、陰と陽は同じものが姿を変えただけ、ということ。

太極図は止まって見えますが、これは一瞬を切り取った写真と同じ。
自然も、わたしたちも、止まっているように見えて、絶えず変化しています。

この図が、立体的に動いていることを想像すると、“陰”と“陽”のことが、
少し分かってくるかもしれません。




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