2016年2月23日火曜日

ちょっと斜めに五行をみてみる


とりあえず、前回までで、“薬膳”“食養生”の基本理念、陰陽と五行についてのお話は、ものすごくざっくりとですが、何とかまとめました。

あ~めんどうなのが終わった~ヽ(^o^)丿♪

と、言うことで、今回は余談です。

東洋医学の基本理念である五行。

よくここまで体系付けたな~と思いますし、何千年の歴史を否定する気はありませんが、個人的に、この五行の法則には少し疑問があります。

というのも、五行の運動法則は、相生の五角形と相剋の五芒星に代表されるように、“平面”的だと思うのです。

自然はもちろん、わたしたちは物体・立体だし、三次元の世界で生きています。

二次元の平面的な運動法則で、果たして三次元の自然や人体のバランス法則を表現しきれているのかな…?と。

円で表現される“陰陽”はまだ、球体(立体)で想像することができるのですが、五行に対するこの疑問は、今でもぬぐえません。
ひとつのモノの見方・考え方としては、とても参考になると思いますけど。

例えば、五行図を見ると、五行は五つの要素が“対等”にあるように見えます。

でも、実際にこの五つの要素は、全然平等に表現できるものではありません。そもそも、火とか水とか土とか木とか金とかが、それぞれどのくらいの量と質を以て“対等”になるのかもよく分かりませんし(^_^;)

相生・相剋の関係も、一見理路整然とすっきりしていますが、わたしのようなひねくれもの<(^´)>☆には不納得な部分も結構あります。

木剋土(木は土を抑制する)の説明、「木は土に根を張り、土の養分を吸い取って成長する」と説明されていることがほとんどですが、「土が木を養っている」とは考えないの??とちょっと思います。
 
そんなこと言ったら、木生火(木は火を生む)の説明の「木は燃えて火を生じ、火を盛んにする」のだって、「火が木を燃やしている」とも言えるんじゃないの??という疑問も出てくるし、

土剋水(土は水を抑制する)が、「土は水濁す」とか、「土で作った堤防は水の流れを支配する」のも、それで相剋になってしまうの?と思ってしまいます…

どっちかって言えば、水剋火の関係で水は確かに火を消しますが、火で沸かされたら水は蒸発して消えちゃいますよ?

とか、いろいろと出てくるわけです。

さて、五行図。
”五行”というと「相剋理論」に基づく五角形の形が定着していますが、実はもう一つあります。
それがこれ↓

これは五行理論の中でも初期の考え方と言われる、”土王説”を表した土王図です。

「相剋理論」では五行は対等の力関係ですが、“土王説”では土が他の四つよりも強く、土を中心にして、木・火・金・水が配置されます。

土を挟んだ火と水、木と土は相剋の関係。

これは土が、木・火・金・水のそれぞれと仲よしで、しかも仲があまり良くないお友達同志(相剋関係)を、仲裁する位置にあることを示しています。

この”土王説”は先ほどの木剋土や土剋水の(わたしが感じている)矛盾を解決してくれたので、個人的に好きです(*^_^*)

でもやっぱり、この世界のバランス法則を説明するには、五つの元素では何か足りない気がするし、相生・相剋の運動法則の方向にも、もう少し複雑な動きがあるように思えます。

これはわたしの感覚的な印象なのですが…

もしかしたら”五行”は、“モノ”の流転(移り変わってゆく様)を、表現しているのかな~と思います。

この世界の全ての物質は、顕微鏡の世界よりももっと細かいところまで、ずーっと拡大していくと、粒子と波(波動)で出来ていると、聞いたことがあります。

原子核とか電子とか、専門的なことは分からないですが、万象の最も根源的なモノにまで還元された場合、その組合せによってそれぞれ違う姿になっていくとすれば、例えば机にも私たちの手にも、大差はないということになります…よね(・・;)

原子レベルで見れば、全部が繋がっていて、全てのものは同じだけれど、変化は同時には生じないし、変化する結果(に見えるだけで実はこれも過程の一つなんだけれど)も同じではない、いくつか方向性があるわけです。そこには時間の差と空間の差がある。

この“差”が、木・火・土・金・水という、一見性質の異なる現象を生み、そして変化を促す動力になっている、と考えたら、面白いと思います。

木が摩擦で火を生じて、一部は蒸発して天に昇って水になるかもしれないし、一部は炭になって土になるかもしれない。
土の中で長い間眠っていたら思わぬ出会いがあって、ある鉱物(金属)になるかもしれないし、一部は水になるかもしれない。
水が吸い上げられて植物に宿り、大木となるかもしれないし、あるいは溶岩などが冷えていく過程で鉱物に宿ることもあるでしょう。
木が火を飛び越えて土になることだってあり得るし、土が金を飛び越えて水になることもあるかも…

五行の巡りをぼんやり考えていると、こうしたモノの移り変わる様が見えてくるような気がします。

何が言いたいのかよく分からなくなってきましたが(-_-;)

今回言いたかったのは、”五行”はまだ完全な理論とは言えないのではないかな、ということです。

一つの”見方”としては優れていると思いますが、この理論にすべてを無理やり当てはめるのは、意味のないことですし、大切なのは、それらが表現しようとしている”対象”を、理解しようとすることだと思います。


宇宙のバランス法則が見事に、分かりやすく説明される日が来るのを、楽しみに待ちたいと思います(*^_^*)

 

 

 

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