秋も深まってきました。
陰陽五行を基礎理論とする東洋医学では、この時期は五行の金行に属すとし、臓腑は肺・大腸と関わりがあると説いています。
陽気が最も高まる夏のピークを境に、自然界は陰の気のシークエンスへと移行します。
すべて季節というのは、自然界の気の運動がもたらす変化によって生じるものですが、秋というのは、陽から陰へとシフトチェンジする時期な訳です。
四季で言えば春と秋が、陰陽の気の偏りが少なく、気温もちょうど良いので過ごしやすい季節でもあります。
夏や冬は、衣類は暑さ・寒さの対策が第一になりがち。
だからこそ、春先と秋口は、おしゃれも楽しい季節(*^_^*)♪
アパレル業界にいる友人に聞いた話では、お洋服の売れ行きも良いのだとか。
もっとも、最近はこの”ちょうどよい”季節が、あまりなくなってきましたね。
陰と陽の切替えの仕方が激しすぎて、この間まで暑かったと思ったら、もう寒い!
これでは、オシャレがどうこう以前に、身体もついてきてくれません。
気候というのは、自然界のバランス運動によって生じています。
陰と陽の気が両極にふり幅を大きく偏るようになってきた影響は、巨大台風の発生や、極地的な降水量の多少(ある地域では大洪水、一方では砂漠化)の原因にもなるでしょう。
今の世の中、気候も社会も経済も、全てが、両極端になりつつあるのかもしれませんね。
中庸というか、“ちょうど良い”を目指したいものです。
さてさて、話がそれました。
秋のお話。
薬膳では、肺・大腸を助ける味としては、辛味を配当しています。
空気が乾燥し、ひんやりとする時期ですので、呼吸を司る肺から、風邪などをひきやすい時期です。
こうしたトラブルに対処すべく、辛味の力(殺菌力・気血を巡らせる力)で守ろうということですね。
また、日本では、昔から「秋は実のもの」とも言われています。
秋は果実や穀物、木の実などが実を結ぶ時期ですものね。
次世代の命を秘めた、エネルギーの凝縮した実を積極的に頂くのも、秋の養生のポイントです!
ところで、涼しくなってきて、何だか甘い物が食べたい!と思うことが多くありませんか?
暑い時には食べたいと全く思えない、サツマイモにカボチャ、栗…
男子は苦手な人も多いみたいですが、もっさりこっくり重たい系のスイーツも、ドンと来い!となるから不思議です。
白砂糖や油分はあまり摂りすぎないように、でも適度に満足させてくれる、秋のスイーツ食養生レシピをご紹介します。
秋の実のログ
【材料】
ナツメヤシ(デーツ)*ソフトタイプ
ドライイチジク*ソフトタイプ
クルミ
アーモンド
シナモンパウダー適量
塩少々
材料をすべて細かく刻み、シナモンパウダーと塩を入れ、デーツとイチジクから程よく粘り気が出るまでよく混ぜて、平べったく押し、冷蔵庫で冷やしてカットして出来上がり!
かたまりが悪い場合は、ハチミツを少し加えて加減してみて下さい。
また、カットしないで丸めて、トリュフのようにしても良いです。
お好みの形に仕上げてください。
本草MEMO-イチジク
無花果の味は甘、性質は平。
「胃を開き、洩痢を止める。五痔、咽喉痛を治す」とあります。
本草MEMO-ナツメヤシ
黒砂糖のようなコクのある甘味の強いナツメヤシは、デーツという呼び名の方が知っている人も多いかもしれません。
イスラム教圏では、ラマダン(断食)の最中にも口にするドライフルーツです。
「生命の木」のモデルとも言われて、栄養価が非常に高く、聖母マリア様がイエスを懐妊中、あるいは出産後に最初に口にしたともいわれています。
『本草綱目』によれば、ナツメヤシの味は甘、性質は温。
「気補い、痰嗽を除き、虚損を補い、顔色を抑止、肥健にする」とあります。