2016年6月9日木曜日

小食に心がけるべし

江戸時代中期の観相学の大家、水野南北(1760-1834)という人が面白い説を唱えました。
節食開運説(小食に心がけると、運命が良くなる)”というものです。

*「観相学」は手相や人相をみて、その人の性質や運命を占う人のことです。


分限よりも大食するもの運よろしからず。
諸事心にまかせず、不時の損失など多かるべし。

蓋し、天より受けえたる食には際限あり。
これをよけいに食するときは、日に天に借りを生ず。
食い費やしたる食は、みな糞となりて再び世に還らず。
何れの年にこれを返納するか。

人は催促せずとも天はこれを取り立て給う。
われ返さずは子孫に取り給う。
子孫あらざれば、その家を亡ぼし、先祖をたやし給う。

わが借りたるものを返すは天地の理なり。

されば分限よりも、大食をなす者は運よろしからず。
不意の災禍損失多かるべし。
これみな、天よりわれを戒め取りあげ給うと知るべし。

…(中略)…

人命を養うがための食なりといえども大食暴食をなせば草木に肥料の過ぎたるがごとく、かえってその食をもって人命を損ず。

また粗食をもって相応の養いをとるときは、草木のよく成長するがごとく、無病にして、自ら長寿を得。
これによりて大食過食をなす者は、己れの命を的にして矢を射るがごとし。

これみな心賤しきにより。
これを眼前の餓鬼道という。
また人面獣心ともいう。

…(中略)…

総じて飲食を過ごすときは心自ら濁り、気、自然に重くなり、迷いの心を生じ、その道をえがたし。
水野南北 『南北相法極意』より


人が生命活動を維持するうえで、“食べる”ことを疎かにすることはできません。

しかし、生命活動でもっともエネルギーを使うのは、実は食べ物を消化することだとも言われています。

実際に消化には、大量の気血を消費します。

たとえばお昼ご飯を食べた後は、眠たくなりますよね(p_-)
これは血液が消化器に集中し、脳へ上る血の量が少なくなるために生じる、生理的な理由があります。

ですから食べ物をたくさん食べれば食べるほど、全身の血液は胃腸に集まり、頭は貧血状態になって、ぼんやりしてしまいます。
消化するためにエネルギーを消費し、睡眠時間も長く必要とするようになるのです。


巷ではプチ断食などが流行っているようですが、
実体験から、小食に心がけていると、身体が軽くなり、集中力も高まりますし、精神的にも安定して穏やかです(*^_^*)


食べる”量”は、心身への影響だけではありません。
水野南北さんのように、当時日本一と謳われた観相学の大家が、ご自分の体験やたくさんの例をみて、運勢を良くする極意を“節食にあり”と説いています。

その理は、

わが借りたるものを返すは天地の理なり

この一文に良く現れています。

宇宙に隈なく溢れている“気”を、わたしたちは呼吸という行為で頂いて、自らの生命力を充実させます。

ここで大切なのが“”。

“気”は不足もアンバランスですが、“適切な分”を過ぎるのもまた、アンバランスなのです。

適切な分より多く飲食すると、何等かのカタチでその精算…というより、バランス調整が入る。
それが、その人の持つ良い運勢や徳などの、見えない“貯蓄”を、切り崩すことになるわけですね。

“食”と“人の運命”とが、密接に関係している。

これは、”自然と自分がつながっていてめぐっている”、という感覚を持って考えると、納得できるお話です。


飲食物の豊富な・・と言うよりも氾濫している現在、欲を抑えて小食を心がけるのは、意外と精神力を試されますよね。

お腹がいているか、いないか、を自分に問うと、それ程空いてもいないのに、食べ物を口にしていることが多いくらいです(・・;)

単に自分の体重の増減や健康のためだけに小食に心がけるのではなく、自然から頂く恵みを、“適切な分”に止めるように、お互いに努力してみましょう。


そして、体調が優れない時。
お薬や身体に良い食べ物を、加えてみるのも良いでしょう。


でも、意外ですが、足し算の健康法ではなく、引き算の健康法も、これからの時代には必要となるかもしれません(*^_^*)


”ある日の食事”
梅と昆布のもち麦ごはんのおにぎり
小松菜と根菜のお味噌汁
切り干し大根と煮物


2016年6月8日水曜日

本草MEMO~柘榴(ザクロ)

路地に、柘榴の花が咲いていました。


お花の形が、なんとなく果実に似通っていますね。

柘榴と言うと、ギリシャ神話の豊穣の女神デーメーテールの娘、ペルセフォネのお話を思い出します。

とっても美人のペルセフォネに恋した冥界の王ハデス(ローマ神話ではプルートに相当)が、彼女を冥界に連れ去ってしまいます。
悲嘆したお母さんのデーメーテールが、天界から放浪の旅に出てしまい、大地が荒廃(・・;)

女神が役職放棄することで困ったことになる…というこのお話、日本神話の天照の天岩戸隠れのお話に、ちょっと似ていますね。

結局ペルセフォネは、お母さんの元へ戻れされます。
しかし、”冥府の食べ物を口にした者は、冥府の住人となる”という定があり、ペルセフォネは、柘榴を何粒か食べていました。

そのために、一年の内の数か月間、冥界で過ごさなければならず、デーメーテールはその間だけ、実りをもたらさない…季節で言えば”冬”の時期が出来たそうです。

子供の頃に読んだ本では、ペルセフォネが口にした柘榴は4粒だったので、一年の内4カ月の間、冥界で過ごすようになった、とあったのですが…
それなら、もし20粒食べていたらどうなったんだろう?
…と子ども心に首をかしげた記憶があります。
*12ヵ月を食べた柘榴の粒の数で割る、というお話もあるみたいなので、記憶違いかもしれません(・・;)

柘榴は血のように赤い粒々の種衣が、丸い実の中にびっしり詰まっていて、初めて見た時は、ちょっとグロテスクなイメージがありました。
けれども、半透明の赤は、ルビーのように光っていて、とてもキレイですね。

”血”のように赤い柘榴ジュースは、女性ホルモン”エストロゲン”が含まれると一時期話題になりました。
”エストロゲン”については、分析結果によって諸説あるようですが、古くから薬として利用されてきたことは確かです。

『本草綱目』によれば、その味は””、性質は身体を温めてくれる””。
果実は蜜漬けにして菓子にしたり、果汁を飲んでその薬効を利用したようです。

果実だけではなく、柘榴のお花も使われていたようです。


陰干ししたものを粉末にし、切り傷や鼻血などの出血に使うと良いそうです。
また、”鐡丹を和して服すれば、一年にして白髪を漆のように変ずるとありました。
”鐡丹”は、鉄の粉のことのようです。

”鉄の粉”…は、あまり身近にはありませんね(^_^;)
これはちょっと再現しづらいので、鉄分を豊富に含む食材とコラボして、おやつレシピにしてみましょう♪


【柘榴花のドライフルーツボール】                  

干しブドウ、プルーン、デーツ(ナツメ)、イチジクなどのドライフルーツを刻み、ローストしたクルミを細かく刻んで、すべての材料をよく混ぜ合わせ、シナモン・お塩で味を調えます。

ここに、乾燥させて粉にした柘榴のお花も入れてしまいましょう。

これを一口大に丸めれば、出来上がりです(*^_^*)



東洋医学では、髪の毛や骨は”腎”の支配下とされています。

”腎”には生命力の源である、が貯蔵されています。
”腎”が弱ると、老化現象が現れる―白髪になり、骨も弱くなる―というわけです。

鉄分・ミネラルも豊富なドライフルーツと、腎を補う働きに優れたクルミと合わせた、柘榴のお花のお菓子。

他に、スミレの砂糖漬けのように拵えても良いし、蜜漬けにしてもいいかもしれません。
乾燥させて使えば、いろいろとレシピが増えそうですね。

美しい黒髪の養生に、お試しください(^_-)-☆


五味シリーズ”甘味”―お砂糖のおはなし~おまけ

さてさて、薬膳で言うところの“甘味”は、=お砂糖ではない*のですが、“甘味”の代表格と言えば、やはり“お砂糖”。
*糖質=お砂糖、だけではないのと同じですね。糖質は炭水化物も含みます。
  お砂糖は糖質グループの中のメンバーのひとり、ということです。

精製されたお砂糖の過剰摂取のキケン性は、前回までの記事でお伝えしました。
あとは、摂り方ですね。

 以前の記事でも書いた通り、糖質は人の生命活動に必須の三大栄養素のひとつ。
 無くてはならない存在です。

 ですが、いわゆる甘いモノを取らなくても、同じ糖質である炭水化物(ごはんやパン、麺類)などから、わたしたちは十分なエネルギーを得ています。

昔は糖質の補給源は炭水化物がほとんどで、甘いモノというのは、高級な味、めったに食べられない味でした。

今思うと、祖母が作ってくれる芋の煮っころがしやお豆の煮物は、とにかく甘かった…食材よりも、お砂糖の味が勝っていました(^_^;)
戦前戦後の食糧難の時代を生きた祖母にとって、お砂糖は経済復興の恩恵―“美味しい味”、“贅沢な味”を代表するものだったのでしょう。

今や、お砂糖は身近な存在になりましたね。
スーパーに行けば、何の苦も無く手に入れることが出来ます。
ありがたいことですが、やはり摂り過ぎは良くありません。

とは言え。
糖質の摂取が主食の炭水化物で賄われているから、甘いモノは不要<(^´)>と言われたら…悲しいですよね(T_T)
甘いモノは気持ちを緩めてくれますし、疲れた時はやはり口にしたくなります。


そこで、お砂糖をたくさん採り過ぎないようにするために…
 
お料理にはお砂糖は極力使わず、みりんで代用したり、食材の甘味を引き出すように調味します。
また、出来るだけ精製されたお砂糖ではなく、ミネラルの残った含蜜糖グループの砂糖を使用するように、心がけています。


お子さんがいるご家庭では、“おやつ”は避けては通れないでしょう。

季節の果物を使ったり、ミネラル分を含むハチミツやメープルシロップ、黒砂糖やテンサイ糖・キビ砂糖などを使って、ご家庭でおやつを手作りしてみてはいかがでしょうか(^^)


特にハチミツはオススメです。



インドや中国では、古代から薬として利用されてきました。

ハチミツは消化される際に、カルシウムやビタミンを消耗しない上に、カルシウムや鉄・マグネシウムなどのミネラル補給に役立つため、虫歯予防や骨の強化に有効なのです。
また、人の腸管内でビフィズス菌の栄養となり、腸内環境を正常化する働きがあり、下痢や赤痢に有効と言われますよ(*^_^*)

最後に、黒砂糖・ハチミツを使った簡単おやつレシピをご紹介します♪

【豆乳ゴマプリン】                                        
豆乳:800ml 
葛粉:5080(固さの好みで)
蜂蜜:4060g
 胡麻ペースト:大4(風味・甘味とも好みで調整)
塩:少々

   材料を鍋に入れ、葛粉が十分に溶けたら中火にかける。
   焦がさないように混ぜ、粘りが出てきらた練って、火からおろす。
   器に流し入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。

*要は胡麻豆腐の作り方と同じです(*^_^*)
 甘味を控えて香りを楽しんでもいいですし、固めでも緩めでも美味しいですよ。

【抹茶わらび餅】                                         
わらび餅粉100
 水:450ml
 黒砂糖又はハチミツ:50
 抹茶:小さじ2
黒蜜:適量  塩:少々  

   ボールにわらび餅粉・黒砂糖・抹茶を入れて混ぜ合わせる。
   ①に水を少しずつ加え、ダマがない状態にしながら混ぜる。
   ②を木べらで混ぜながら強火にかけ、固まってきたら火を弱め、透明感が出るまで練って火から下す。
   流し缶を湿らせ、③を流し込む。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。

*季節の果物を和えると彩りも綺麗ですよ(*^_^*)


 

2016年6月7日火曜日

五味シリーズ”甘味”―お砂糖のおはなし④

■精製されたお砂糖の弊害■                           

黒砂糖、甜菜糖、上白糖、グラニュー糖、三温糖、氷砂糖…
”お砂糖”と一言で言っても、色々な種類がありますね。

”お砂糖”は、製造法によって、ミネラル分などの成分を含んだ”含蜜糖”と、糖分のみを精製する”分蜜糖”とに、大きく分けられるのだそうです。

お砂糖の原料であるサトウキビやテンサイ(サトウダイコン)などの植物には、もちろん糖質以外のミネラルやビタミンが含まれています。

含糖蜜には、黒砂糖、赤砂糖、和三盆、メープルシュガーなどがあります。

一方、糖蜜を分離し、精製される分蜜糖。
日本で最もシェアの大きい上白糖は、分蜜糖になります。
結晶の粒の大きさなどによって、グラニュー糖や上白糖・三温糖などができるそうです。

*三温糖は色が着いていますが、白砂糖にカラメルなどで着色しているものが多く、白砂糖とほとんど同じものなのだそうです。

糖蜜というのは、精製する側から見れば不純物とも言えますが、糖分以外のミネラル分などのこと。
つまり、精製された砂糖は、ビタミンBやカルシウムなどのミネラルが除去されている状態なのです。

糖分としては、純度が高く、構造も簡単なのですぐに分解される精製されたお砂糖。
エネルギー補給源として良いように思われますが、たくさん食べるとどうなるでしょう。

まず、ひとつめ。
体内でブドウ糖に分解するために、人体からビタミンBやカルシウムを調達します。
つまり、体内のビタミンBやカルシウムが消費されます。

*ビタミンB類、特にビタミンB(サイアミン)は、糖を分解する過程で使われ、脳の働きにも重要な栄養素です。
炭水化物・デンプン・糖質などの主なエネルギー源になる物質をエネルギーとして利用する働きを助け、脳神経や末梢神経の働きを調整し、筋肉の協調運動バランスを正常に保つ働きを持ちます。

次に。
お砂糖は、酸性食品です。
当然、たくさん摂取すると、血液は酸性に傾きます。

動物性食品の摂取が多い現代人の血液は、ただでさえ酸性に傾きがち。

このバランスの偏りをただし、体内を中性に保とうと、アルカリ性のカルシウムイオンが使われます。 
自分の骨や歯などから、カルシウムを調達するのです。
結果として、虫歯や骨粗鬆症など、歯や骨の軟弱化を招く可能性が指摘されています。

この他、お砂糖の大量摂取は、精神性疾患や痴呆症状との関連も指摘されているそうです。
ジュースやお菓子など、お砂糖をたくさん使用した食品を日常的に食べることで、低血糖状態が繰り返され、これによって脳がダメージを受けてしまうとためではないかと考えられています。

…と、こうした弊害を並べてしまうと、お砂糖が悪者みたいになってしまいますね(・・;)
でも、お砂糖は別に悪くないのです。
市販されているおやつには、お砂糖だけではないリスクがたくさんあります。

要はわたしたちの食べ方、にあります。
どんなに身体に良いと言われるものでも、過ぎれば何らかのアンバランスを生じますから。

それともう一つ。

お砂糖のリスクを一方的にとらえた企業が“シュガーレス”を謳った商品も多く目にします。
しかし、アスパルテームやスクラロースなどの人工甘味料は、精製されたお砂糖以上に、摂取には注意が必要です。
人工的なものというのは、やはり自然ではありませんから。

”甘味”は五行では土行に属し、脾胃を補う味

日々のエネルギー源となる”甘味”の摂取は、生きる上でとても大切なのです。
実際、薬膳の世界でも、酸・苦・甘・辛・鹹の五味に分類される食べ物の中で、”甘味”は最も大きな割合(約7割)を占めます。

命を養うため、日々の食事で”甘味”に頼る部分は大きい。
それだけに、”甘味”の過剰摂取の影響は、深刻になります。

お砂糖に限らず、主食となる炭水化物も含め、”甘味”について理解を深め、出来る事から心がけてみてください。


2016年6月3日金曜日

五味シリーズ”甘味”―お砂糖のおはなし③

糖が吸収されるとどうなるの?                           

炭水化物とお砂糖。
同じ糖類ですが、構造が違います。
多糖類と二糖類。

どちらが早く分解されるかは、すぐに分かりますよね(^^)
これが、一つの糖分子(グルコース)に分解されて、わたしたちのカラダに吸収されるのです。
糖は脳の大切なエネルギー源。
欠かすことのできない栄養素です。

でも、同じ糖分子になるにしても、カラダの中で起こることは、ちょっと違います。

たくさんの糖分子が集まって出来ている炭水化物は、食べてから完全に分解・吸収されるまでに時間がかかります。
だんだんに分解されて、吸収されていくのですから、血液の糖度の上昇は穏やかです。

一方、すぐに分解・吸収されるお砂糖を、たくさん食べたらどうなるかと言うと…

お砂糖はすぐに分解されてしまいますから、血中の糖度を一気に増加させますね。

さて、血糖値が一気にあがると、どうなるでしょう?
人の身体は良く出来ていて、常にバランスの偏りを中和するように働きます
バランスの妖精”ヘイちゃん”登場。

急激に上がった血糖値を下げようとするのですね。
具体的に言うと、血糖値を下げるインシュリンが分泌されます。

ところが、このインシュリンが大量に分泌されると…
今度は低血糖の状態となってしまうのです。(+o+)

お砂糖を取っているのに、低血糖になるなんて不思議ですね(*^_^*)
なんて呑気なことは言っていられません。

脳はブドウ糖を栄養としているため、低血糖状態はとてもキケン\(゜ロ\)(/ロ゜)/‼!
めまい・頭痛・イライラ・神経過敏・無気力・眠気などの症状を引き起こします。

脳はこの状態を改善しようと、今度は血糖値を上昇させるホルモンの分泌を促します。
具体的に言うと、副腎が興奮・覚醒作用のあるアドレナリンを分泌します。

上がったり下がったり上がったり…ジェットコースターに乗っているような感じですね。

このアドレナリンは「攻撃ホルモン」とも言われていますヽ(`^´)丿

白砂糖を大量に食べている自覚は、あまりないかもしれませんね。
でも、市販されている清涼飲料水やお菓子のほとんどには、白砂糖がたくさん使われています。

こうしたおやつを大量に食べている子供さんが、攻撃的でキレやすくなるなどの現象が報告されています。
「キレるジョニー」

精製されたお砂糖の弊害につづく

2016年6月2日木曜日

五味シリーズ”甘味”―お砂糖のおはなし②

糖質について知ろう                           

【糖質】は、【脂質】・【タンパク質】と並ぶ、三大栄養素の一つ

といっても、お砂糖などの”甘い物”だけが糖質ではありません。
甘味はそれほど感じませんが、私たちは、お米やパン、麺類などの主食や、芋・豆類などからも、糖質を摂取しています。
*穀類や芋類などの炭水化物は、繊維質と糖質から出来ています。

お砂糖を主原料としたおやつや食品が出回る前、
日本人のブドウ糖の供給源は、ほとんどが穀類や芋類などの炭水化物でした。

ところで、同じ糖質でも、炭水化物と砂糖では、構造に違いがあります。

たとえば、炭水化物の代表、お米と、お砂糖の中でもポピュラーな白砂糖で考えてみましょう。

まずお米。
ごはんさん。
お米に含まれるデンプン質は、多糖類と言って、たくさんのブドウ糖(グルコース)が結びついてできています。
ですから、食べてから分解されて完全に吸収されるまでに、34時間かかると言われます。

たくさん集まっているから、分解されるまでに時間がかかるのです<(`^´)>

対して、白砂糖。
主成分のショ糖(スクロース)の構造を見てみると…
ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が一個ずつ手をつないだだけの、簡単な構造をしています。

構造がシンプルなので、白砂糖さんは、すぐに分解されます。

“疲れた時に(お砂糖に由来する)甘いものを摂ると良い”と言われるのは、構造が単純なため、すぐに吸収されて血中に移行するからなのですね。

エネルギーの供給源として、白砂糖は最適なように思われますが、果たして人体にどのように影響するのでしょうか??

糖が吸収されるとどうなるの?につづく


2016年6月1日水曜日

五味シリーズ”甘味”―お砂糖のおはなし①

以前にまとめた、お砂糖についての記事を数回に分けてUPします♪

糖質は大切なエネルギー源                           

ちょっと疲れたときに、甘い物が食べたくなることはありませんか?

勉強やお仕事の合間に、甘いおやつを口にすると、ほんわりして幸せな気持ちになりますよね。



おやつの材料の中で、甘味の主役は“お砂糖”です。

お砂糖は、サトウキビやテンサイ(サトウダイコン)など、糖質を多く含む植物を原料に作られる調味料。

糖質は、人が生きていく上で欠かせない、大切な栄養素です。


糖には単糖類・多糖類など、その構造によって、いくつかの種類がありますが、体内に摂取されると、すべてブドウ糖(グルコース)にまで分解されてから吸収されます。

ブドウ糖は脳の栄養源としても大切なエネルギー源。

疲れたときに甘い物が食べたくなるのは、脳がエネルギーを必要としているサインなわけです。

ですがこの甘味、“摂り方”を間違えると、身体に良くないだけでなく、イライラしたり、攻撃的な性格になったり・・思いも寄らない影響があるのです。


糖質について知ろうにつづく